◆角咲族
獣の耳と尻尾、頭に花の咲く角を持った人間よりの獣人。角の色形と花の種類はそれぞれ違う。
体内で魔力を生成する事ができ、溜まった魔力は角を伝い、花として咲いて初めて使えるようになる。
(肌、手から直接魔力・魔法を放つ事はできない。魔力伝導に優れた角を伝って、体→角→花→魔法と出す)
常に体に魔力が流れている事から、魔力を感じ取る事で相手を識別できる者もいる。
花によって魔力の高さや生成できる量が決まり、薔薇・百合・椿などの花を持つ者は大切に扱われる。
このため自然と身分の差が生まれており、魔力の少ない花の者は使用人や力仕事をさせられる事が多い。
角は魔力が通る部分なので触るのはちょっと危ない。
耳と尻尾は寒さや痛みに弱いので弱点になる。触ったらぴくぴくしちゃう。
◆花喰い
自分の角に咲いた花を自分で食べる事で『他者への施し・慈しみを忘れた者』として呪われた者の通称。
外見的な特徴として、角と肌が黒く濁り、瞳は優しい光を無くし獣のように鋭い眼光に変わる。
祈りの歌を歌うと体が拒絶反応を起こし、血を吐き衰弱してしまう。
花を食べ続ける事で生成した魔力を体内に留め溜め込む事ができるため、その分多大な力を込めた魔法を一気に放出できてしまう危険な存在。
一族の間でも忌み嫌われるので、離れて森や人間の街で暮らすか、奴隷同然の扱いで里で暮らすしかない。
ずっと花を食べ続けるといつか本物の悪魔の獣になると言われている。
◆祈りの歌
一族古来より伝わる歌。短いので繰り返し繰り返し歌う。祭りごとで歌われ、強力な治癒を施す際にも呪文として使用する。
リュミウ、ケイオ、ティーテュにとっては思い出の歌であり友情の証。(詳しくは後述&ソロール)
レルクェ ラタ ピュエンタ (心のままに 導け 香れ)
ラルクォ ステ シエンヒェ (揺蕩うままに 煌めけ 癒せ)
ウェミツォ ロ ケークォ (祈れよ 慈しみ 守るため)
レプィイエ ンヨ ファ (信じよ 自分を 愛する皆を)
◆続きの歌
リュミウ・ケイオ・ティーテュで作った、祈りの後ろに付け足した歌。
幼少時代、薔薇の子であるためひとりぼっちの高台で歌わなければならなかったリュミウに、
歌を好きになってもらう為、一人じゃないよと勇気づけるためにティーテュが作成を提案した。
祭りの季節が来るたびに前日に少しずつ作って付けたし、今では数年分の長さになっている。
三人の秘密であり友情の証。リュミウが幽閉され離れ離れになった後も彼女を支え続けた大切な歌。
祈りの歌と一緒に歌い続けたためか、同等の神聖さ&治癒呪文としての力を持ってしまったようだ。
◆角咲族の祭『ラクエッタ』
一年に一度、夏に行われる、平和と豊穣を願う祭。
木々や家は飾り付けられ、屋台が並び、歌ったり踊ったりするとか。
最後に今年一番の魔力を持つ子が高台に上がり、それを囲む様にその子と皆で歌う。
何故かは昔からだとか天に祈る為とかあやふやで伝わっていない。
高台に上がるには歌をきちんと歌える歳になってから。
◆黒薔薇の儀式
遥か昔、怒りのまま全てを滅ぼしたといわれる破壊神、黒薔薇の魔女を呼び寄せる儀式。
多くの魔力を持った薔薇の角咲族を生贄に、その身に宿らせる事で現世に蘇らせる、らしい。
ここ数百年、条件に合うほどの魔力を持った薔薇の子は産まれず、リュミウが生まれてやっと儀式を
行える事になったらしい。
今は黒薔薇自身の暴走が解けたため、儀式は行えない筈である。
◆角咲族の生まれ方
◆結婚式
角咲族の結婚式はほんの小さな儀式みたいなもので、ウエディングドレスとかタキシードとか衣装は無い。
女性側がヴェールをかぶるくらい。そして角に咲く花で7輪以上の花冠を作って、交換してお互いの頭に被せる。
契りの魔力を持った角咲族が居た頃は、その子の花も一輪交えて作っていた。末永く一緒にいられますようにのおまじない。
もし相手が角咲族でなく花冠が作れない種族だったら、その人が普段身に着けているもので飾りを作って頭に乗せる。
式が終わったら、花冠の花のはなびらを一枚選んで水晶に閉じ込め結婚指輪を作る。(水晶に花弁を閉じ込める技術は詳しくは秘密。角咲族なら誰でも作れる)わっかは昔は木で作っていたけど、最近は人の街から買った金属が多い。